アトピー性皮膚炎の急性増悪は、
突然、顔の滲出性紅斑から始まることが多い。
顔が赤く腫れあがったかと思うと、
じくじくした浸出液がとめどもなく流れ出て、
汁でまぶたの上下はくっつき、痒くて掻くと、
桃の皮のように皮膚がペロリとむける。
放っておくと、顔から首、胸、腹、背中といった
体の部分にも拡がっていき、全身じゅくじゅくで真っ赤になる。
こうなると、皮膚はかゆみだけでなく痛みまでも訴えるようになる。
このようなアトピー性皮膚炎の急性増悪は、
ステロイドの治療を突然中止した場合にもリバウンド現象として起こりうるが、
ステロイド治療中でも起こってくる症状である。
アトピー性皮膚炎の急性増悪が全身に及んだ場合、
下記のような検査データが出ることが多い。
●感染やアレルギーの状態をあらわす白血球の増加
●炎症反応を示すCRPなどの上昇
●むくみなどの状態の指標となる血清蛋白質(TP)の低下
●肝臓のタンパク合成能力を表す血清コリンエステラーゼ値の著しい低下
このような場合、

血清蛋白が低下するためにむくみがひどくなる。


同時にこれらも低下するとカポジ水痘ウイルスなどの単純ヘルペス感染や
細菌感染を合併しやすくなり、まれに死亡するケースさえある。
アトピー性皮膚炎の急性増悪を、
たかが皮膚炎の悪化などと
たかをくくっていては恐ろしいことになる。

皮膚科での入院はアトピーの急性増悪を必ず治めてくれる。